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環境用語一覧

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  • 1.1-ジクロロエチレン(CCl2=CH2)

    塩化ビニリデン樹脂の原料等に用いられています。トリクロロエチレンの生分解中間生成物でもあります。4000ppm以上の濃度の1.1-ジクロロエチレンの吸入は即発性の神経衰弱を起こし、暴露が続けば意識を失います。地表から地中に浸透すると、土壌中を移動して地下水に移行し、土壌中や地下水中で生物分解して塩化ビニルになります。

  • 全リン(T-P)

    水中に溶解している無機態リンと有機態リンの総量を指します。湖沼などの閉鎖性水域に流れ込むと、窒素と同様に富栄養化が起こります。そのため全リンについて、水質汚濁に係わる環境基準のうち、生活環境の保全に関する環境基準が海域及び湖沼について定められています。

  • 全窒素(T-N)

    全窒素は、窒素化合物(硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、アンモニア性窒素及び有機態窒素)の総量を指します。窒素は、リンとともに湖沼等の閉鎖性水域において富栄養化の要因となっているため、水質汚濁に係わる環境基準のうち、生活環境の保全に関する環境基準が海域及び湖沼について定められています。通常、自然界中の有機態窒素は生物の作用を受けてアンモニア態窒素に変化し、次いで亜硝酸性窒素になり、最後に硝酸性窒素に変化します。

  • ノルマルヘキサン抽出物質

    n-ヘキサン抽出物質は、水中の「油分」を表す指標として用いられています。油分は主に、動植物油と鉱物油に大別できます。海域における生活環境項目のA類型およびB類型において「検出されないこと」となっております。

  • pH

    pHとは、水の酸性・アルカリ性を示す値です。pH=7が中性でそれ以上がアルカリ性、それ以下が酸性になります。1から14の範囲で表します。通常、河川水やダム湖水はpH値が7.0〜8.0、海水は8.0〜8.3程度の値となります。

  • COD(化学的酸素要求量)

    CODは、水中に含まれる有機物が酸化剤によって酸化されるとき、消費する酸化剤の量をそれに相当する酸素量で表現した数値です。海域や湖沼において生活環境項目として採用されており、COD値が高いほど水が汚れていることになります。

  • BOD(生物化学的酸素要求量)

    BODは、水中の有機物が微生物の働きにより消費される酸素量で表します。20℃一定で5日間培養します。河川の水質汚濁を示す代表的な指標であり、この値が大きいほど河川の汚濁が進んでいることを現わしています。

  • SS(浮遊物質量)

    SSとは、水中に懸濁している不溶解性物質を指します。一般に、清澄な河川では粘土分が主体であり、汚濁が進んだ河川では有機物の比率が高くなります。SSの量は、水の濁りや透明度等の外観に大きな影響を与えます。

  • 大腸菌群数

    大腸菌群とは、大腸菌及び大腸菌と極めてよく似た性質をもつ菌の総称です。「MPN」という単位を用いて表します。これは「最確数」と呼ばれており,確率論によって算出された大腸菌群の数を示しています。この値が大きいほど、人や動物のし尿や糞便で汚染されている可能性が高くなります。

  • DO(溶存酸素)

    DOとは、水中に溶解している酸素のことです。水が清澄であればあるほどその温度における飽和量に近い値になりますが、有機物が多いと微生物等により消費され少なくなります。DOが欠乏すると、魚類など水生生物の生存を脅かすほか、メタンや硫化水素等のガスが発生して悪臭の原因となります。

  • 濁 度

    濁度とは、水中に含まれる濁りの程度を示したものです。河川、湖沼等において濁りの原因となる主な物質には、粘土性物質・プランクトン・微生物・不溶性の有機性物質等があります。

  • 全亜鉛

    全亜鉛は、水生生物の生息または生育に支障を及ぼす物質として平成15年に設定された環境基準項目です。水生生物の生育状況に応じて、4つの水域類型に分かれ類域ごとに基準値が設定されています。

  • 1.1.1-トリクロロエタン(CCl3-CH3)

    大気中では比較的安定で、オゾン層破壊の原因物質とされています。有機塩素化合物の中では毒性が低いです。トリクロロエタンは、土壌中や水中で化学的に分解してジクロロエチレンまたは酢酸を生成します。また、微生物による生物分解では、ジクロロエタンに分解されます。

  • 1.1.2-トリクロロエタン(CHCl2-CH2Cl)

    1.1-ジクロロエチレンの製造原料、油脂・ワックス・天然樹脂などの溶剤として使われています。1.1.1-トリクロロエタンよりやや毒性が強いと言われています。

  • 1.2-ジクロロエチレン(CHCl=CHCl)

    トリクロロエチレンの生分解中間生成物です。目・鼻・皮膚・粘膜に強い刺激作用があります。また、麻酔作用を有し、蒸気を吸入すると一過性麻酔状態に陥ります。地表から地中に浸透すると、土壌中を移動して地下水に移行し、土壌中や地下水中で生物分解して塩化ビニルになります。

  • 1.2-ジクロロエタン(CH2Cl-CH2Cl)

    塩ビモノマー原料・有機溶剤・フィルム洗浄剤等の用途があります。吸入すると麻酔剤のような作用を示し、肝臓、腎臓および循環器系に損傷を与えます。地表から地中に浸透すると、土壌に吸着されずに容易に地下水に移行し残留します。

  • 1.3-ジクロロプロペン

    土壌くん蒸剤や線虫類の防除に使われています。人に対しては、腹痛・嘔吐・筋肉緊縮・肺水腫などを起こします。

  • テトラクロロエチレン

    ドライクリーニング溶剤・金属部品の脱脂洗浄剤・有機物質の溶剤として用いられています。大気中に放出された場合、主に光酸化により数日で分解されますが、地中に浸透すると地下水に移行して残留します。テトラクロロエチレンは生物分解を受けてトリクロロエチレンになります。急性高濃度暴露では中枢神経系抑制作用を主としてめいてい感・不快感・めまいなど、さらに高濃度では意識を失います。

  • トリクロロエチレン(CHCl=CCl2)

    金属部品の脱脂洗浄剤・工業用の溶媒として用いられています。大気中に放出された場合、主に光酸化により数日で分解されますが、地中に浸透すると分解が遅くなり地下水に移行して残留します。トリクロロエチレンは生物分解を受けてジクロロエチレンになります。また、テトラクロロエチレンの分解によっても生成します。急性高濃度暴露では中枢神経系抑制作用が強く、以前は麻酔にも使われていました。

  • 四塩化炭素(CCl4)

    オゾン層を破壊する原因物質の一つであり、クロロフルオロカーボンの製造・金属洗浄用溶剤・塗料やプラスチックの製造などに用いられています。経口、経皮または吸入暴露により、皮膚・循環系・呼吸器系・血液・腎臓・肝臓・眼・膵臓の機能に対して有害な影響を及ぼします。地表から地中に浸透すると、土壌に吸着されずに容易に地下水に移行し残留します。

  • ジクロロメタン(CH2Cl2)

    殺虫剤・染料・ニス・ペイント剥離剤・工業用洗浄剤等の用途があります。急性毒性として、麻酔作用があり、軽度の暴露で吐き気・四肢の知覚異常・昏睡・めいてい状態になります。地表から地中に浸透すると、土壌に吸着されずに容易に地下水に移行し残留します。

  • ポリ塩化ビフェニル(PCB)

    PCBは化学的に安定であり、電気絶縁性にも優れていることから、絶縁油・潤滑油・熱媒体・感熱紙等幅広く用いられてきましたが、カネミ油症事件をきっかけに製造が中止されました。PCBには理論上209の異性体があり、その中にはダイオキシン類の一つとされているコプラナーPCBが含まれています。

  • 硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素(NO3-,NO2-)

    硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素は、土壌やあらゆる場所の水に広く存在しています。汚染源として、肥料・生活排水・工場排水などがあります。硝酸性窒素及び亜硝酸性窒素を11mg/L以上含む水を摂取すると、主に1歳未満の乳児にメトヘモグロビン血症(チアノーゼ)を起こす可能性があると言われています。また、体内のアミンやアミドと反応して、発がん性物質と考えられているニトロソアミンを生成するとの指摘もあります。

  • 六価クロム(Cr6+)

    クロムは通常、三価と六価の状態で存在し、六価の方が毒性が強いため環境基準に設定されています。メッキ・顔料・皮革・顔料・染料・写真などさまざまな工業に使用されており、それら工場からの排水に多く含まれています。水道水中では、塩素により酸化されるためクロムが存在すると六価クロムが生成されます。

  • カドミウム(Cd)

    亜鉛鉱山・亜鉛精錬所・メッキ工場などから排出されます。富山県の神通川流域で発生した「イタイイタイ病」の原因物質とされている重金属であり、大量に長期間にわたって体内に入ると慢性中毒を起こし、腎臓障害次いで骨軟化症を引き起こします。

  • シアン(CN)

    メッキ工場・金属精錬・写真工業等から排出されます。水中で遊離のシアンイオンは酸性下で毒性の非常に強いシアン化水素(HCN)となり気散します。急性毒性として、めまい・頭痛・意識喪失・けいれん等があり、高濃度の場合には死に至ることもあります。

  • ホウ素(B)

    ホウ素は、そのものにも毒性がありますが、多くの場合、ホウ酸またはホウ砂として吸収し中毒を起こします。ホウ酸の中毒量は成人で1〜3g、口径致死量は成人で15〜20gと言われています。ホウ酸は、消毒作用があるため洗顔やうがい等の消毒薬・殺虫剤・化粧品に使われており、水質汚染物質というより、家庭用品に含まれる中毒物質として取り扱われることが多いです。

  • セレン(Se)

    セレンは、人及び動物にとって必須元素ですが、その化合物には毒性があります。ガラスの着色材・電子部品材料・顔料・薬剤等の用途があります。

  • ヒ素(As)

    ヒ素には三価と五価のものがあり、三価の方が毒性が強いです。土壌・海水・河川水等自然環境中にも微量に含まれますが、鉱山・染料・皮革等の工場からの排出が汚染源となっています。急性毒性として、嘔吐・下痢・筋肉けいれん等があり、慢性毒性として皮膚の黒色沈着化・角化・脱毛が挙げられます。

  • 水銀(Hg)

    常温で唯一液体の金属です。毒性が非常に強く、ごく僅かでも摂取すると体内に蓄積され発病します。慢性中毒で知覚障害・神経障害・運動失調などが起こります。水俣病は、肥料工場のアセトアルデヒド生産工程の蒸留排水中に副生成物として生成されたアルキル水銀の一種、メチル水銀が原因とされています。

  • 鉛(Pb)

    排出源として、鉛精錬業・鉛蓄電池製造業・顔料製造業・印刷業・ガラス製造業などがあります。鉛中毒症状は、初期症状として全身倦怠・頭痛・疲労感・食欲不振などがみられ、高濃度の中毒症状になると、貧血・消化管の障害・神経系の障害などが起こります。

  • フッ素(F)

    フッ素は、土壌中に広く分布しているため自然水には必ず含まれます。成長期にフッ素を多く含む水を常時飲んでいると、斑状歯という歯のホーロー質を痛める病気になりますが、適量のフッ素を含んでいる水は虫歯を予防する効果があります。一般成人が一度に100mg以上摂取すると、腹部の激痛・嘔吐・悪心を起こし、2500mg以上の摂取で中毒死します。

  • ベンゼン(C6H6)

    有機合成化学の原料・スチレンやフェノールなどの合成に用いられます。ガソリンに平均0.8%含まれています。急性毒性として麻酔作用があり、高濃度暴露では中枢神経に作用して頭痛・悪心・けいれんを起こし昏睡死亡します。慢性中毒としては、造血組織に対する障害作用が挙げられます。

  • ジオキサン(C4H8O2)

    溶剤・1.1.1-トリクロロエタンの安定剤として使われています。人に対しては発がん性の証拠は不十分であるものの、動物実験では発がん性が認められています。

  • チウラム

    ジチオカーバメート系の殺菌剤で、リンゴ畑での黒星病・黒点病などの病害防除に使用されています。また、農作物の病害予防を目的とした播種前の種子消毒、ゴルフ場等の芝生の葉枯病防除等に用いられています。

  • シマジン

    トリアジン系の除草剤で、水稲苗代、ジャガイモ等の栽培初期(播種後、植付後)に雑草発生を防ぐため散布される他、ゴルフ場等の芝生にも使用されます。
    非ホルモン型の除草剤で、茎葉処理ではほとんど効果を示しませんが、土壌処理により発生直後の一年生雑草をほとんど殺すことが出来ます。土壌中での移行性は小さく、土壌表面に処理層を形成します。

  • チオベンカルブ

    チオカーバメート系の除草剤で、水田の田植時の前後においてノビエ・マツバイなどの防除を目的に使用されます(イネに対して薬害が少なく、ノビエに対して特異的な殺草効力がある)。土壌中の移行性は中程度で、残留性はやや大きいです。

  • 塩化ビニルモノマー

    塩化ビニルモノマーは、クロロエチレンとも呼ばれ、ポリ塩化ビニル合成樹脂(通称:塩ビ)の原料です。可燃性であり燃やすと塩化水素を発生するため、吸引すると喉の粘膜を刺激して炎症を起こします。また、発がん性も指摘されています。主に地下水から検出されるものは、そのほとんどが嫌気的条件下でトリクロロエチレン等が分解して生成したものと考えられています。

  • 水質基準51項目について

    水質基準51項目については、環境トピックス「水・飲料水のはなし」をご覧下さい。

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